住野よる「かくしごと」感想:爽やかさ溢れる青春小説!

こんにちは、ニシマツ(@output_log)です。

2017年3月22日、僕の大好きな作家さんである住野よるさんの新作が発売されました!

気になる本のタイトルがこちら!

か「」く「」し「」ご「」と「

本の表紙でみるとそこまで違和感がありませんが、同じサイズの文字でみると意味不明な感じがありますね…。ちなみに最後の「までが本のタイトルです。長い…。

※以降は読みさすさを考慮し、略して「かくしごと」と表記します

発売日がくることをめちゃくちゃ楽しみにしていたので本屋さんへ行って即購入。その後一気に読了。

読み終えて、改めて住野よるさんの作る話はいいなーと実感。ファンなのでもう何を読んでも好きな状態なんですが、かくしごともやっぱり面白かった!

せっかくなので「かくしごと」について紹介したいと思います。感想や本のタイトルに関する紹介で多少のネタバレをしますが、ネタバレしたからといって面白さが半減する作品ではないと思っています。なので本書の内容について積極的に触れながら紹介していきますね。

ネタバレが嫌でどうしても本で読みたいという方は見ないほうがいいかもAmazonのページで軽く内容紹介が書かれているので参考にどうぞ。

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表紙からも感じる爽やかさ

いつかさんによる表紙

か「」く「」し「」ご「」と「

まずは表紙について。水色を基調としたデザインがまさに青春!って感じがしていいですね。色合いや、風で舞うカーテンからは爽やかさしか感じられない。

窓際にいる5人のキャラクターは純朴って感じで好印象。なんて透明感のあるキャラクターデザインなのでしょうか。

この表紙、手がけたのはloundrawさんではありません。住野よるさんの本といえばloundrawさんですが、かくしごとは違います。

一体誰が描いているのかというと、イラストレターのいつか(@itukaki)さん。書籍の装画のほか、LINEスタンプの制作やご自身のイラストをまとめた本を出版していました。

いつかさんのイラストが気になる方はチェックしてみてください!

遊び心もある

表紙に散りばめられているのは銀色にキラリと光る記号や数字。後ほど紹介しますがこの物語にとって重要なものです。

裏表紙には著者のツイッターアイコンのイラストが描かれています。こういった遊び心は楽しいですね。案外分かりやすいところにあるのできっとすぐに見つかるはず。本を手に取った際、探してみてはいかがでしょうか。

帯には「きっと誰もが持っている自分だけのかくしごと

裏表紙の帯にはキャラクター説明がありましたよ。読んでいる最中は気にならなかったけど、読み終えてから見てみるとみんなイメージ通りのビジュアルだった!

紐のブックマークは黄色。かわいい。

「かくしごと」のあらすじ

とある高校生5人のお話。それぞれ自分だけの「かくしごと」を持っていてみんなには内緒にしている。

ありふれた高校生活だけどちょっとだけ特別な日常を、それぞれの視点で描いています。

↓公式のPVはこちら↓

キャラクター紹介

このお話に出てくる重要なキャラクターは5人。作中では渾名で呼ばれていたり名前で呼ばれていたりと様々なので、以下にまとめておきますね。

京くん

写真右側にいる背の低い男の子。地味な自分に引け目を感じており、気になったことを中々口に出せない性格。同じクラスの三木さんに好意を寄せている。

京くんは唯一渾名ではなく名前で呼ばれているキャラクターです。その理由は……物語の終盤で明らかになることでしょう。苗字は1話にて判明します。

ヅカ

写真左側にいる背の高い男の子。みんなに好かれるクラスの人気者で「王子様」と呼ばれることも。本名と渾名の由来はぜひ本書にてご確認ください。1話にて描かれています。

京くんと全く違う性格をしているけど、2人は仲の良いお友達。

女性キャラクターは左から順にご紹介。

ミッキー(三木さん)

ヒロインよりヒーローになりたい系女子。

明るく元気な性格の上、美人で運動もできる。だけど鈍感なところも…。

ちなみにヅカとは中学校からの知り合いで仲が良い。

エル(宮里さん)

内気で控えめな性格。

京くんの隣の席だったが、ある日を境に不登校になってしまった。

渾名の由来はセサミストリートの赤いやつ。

パラ(黒田さん)

頭がおかしいキャラクター。ミッキーからパッパラパーと名付けられ、略して「パラ」と呼ばれるようになる。

ミッキーのことが大好きで、京くんの恋を応援中。そのためなら障害すら排除する姿勢でいる。

タイトルの意味につながる特殊能力

『か「」く「」し「」ご「」と「』には5つの話とエピローグが収録されています。

それぞれ章のタイトルがこちら。

  • か、く。し!ご?と
  • か/く\し=ご*と
  • か1く2し3ご4と
  • か♠︎く♢し♣ご♡と
  • か↓く←し↑ご→と

本のタイトルにある「」の中身がそれぞれ異なっているわけです。一見意味不明ですが、数字や記号にはちゃんとした意味があるんです。

その意味とは、各キャラクターが持つ特殊能力という名の隠し事。一人のキャラクターを除きそちらについても紹介します。

か、く。し!ご?と

まずはこちら。
句読点とビックリマーク、はてなマークが隠されています。

これは京くんの能力で、彼は頭の上に浮かぶ感情の記号が見えるんです。驚いたり嬉しかったりすると「!」。疑問に思うことかあれば「?」など。

か/く\し=ご*と

続いてはミッキーの特殊能力。

ここで登場する記号(棒線)は感情のバーを現したもの

例えば、マイナスの感情ならば左に傾き(/)、プラスの感情ならば右に傾く(\)といった具合に他人の感情が分かるんです。

でも例外はあって、感情の変化がない「=」の人物や、常にバーが回り続けている「*」の人物もいます。果たしてそれが誰のことを指しているのかは是非本書にてお確かめください。

か1く2し3ご4と

次はパラの特殊能力。

1、2、3、4という数字は人の鼓動とそのリズムを現しています。

運動をしたりして興奮すると心音が早くなりますよね? パラにはそれが見えるんです。

か♠︎く♢し♣ご♡と

他人の頭の上に浮かぶトランプのスート記号。これが見えるのはヅカ。

各記号はそれぞれ喜怒哀楽を現しています。

  • スペード:喜び
  • ダイヤ:怒り
  • クラブ:悲しみ
  • ハート:楽しみ

か↓く←し↑ご→と

最後に紹介するのはエルの能力。ご覧の通り、矢印です。

ただこれがどういう意味を持った矢印なのかは本編にてお確かめください。エル以外は各話の序盤で判明するのですが、「か↓く←し↑ご→と」では中盤に判明したので読んだ人だけの秘密ということにしておきましょう。

感想

著者である住野よるさんの作品、

とはまた違った毛色の物語。過去作は感動できるものばかりだけど、どこか重いところもありました。故に感情に突き刺さるところがあったのだけど、かくしごとシリーズは比較的ライトな感じ。

今までも読みやすい文章に定評があったけど、さらに気軽にスッと入ってくるんですよね。単行本にして約250ページほどのボリュームですが、短時間であっという間に読めてしまいました。

読み始めたときは特殊能力について面食らうところもあったのですが、受け入れてしまえばなんてことはなく、物語を楽しむ一要素として面白さを発揮します。それに、僕たちは普段から人の表情や声などから感情を感じ取っているわけで、それほど特殊な能力でもないのかなぁ、なんて思ったり。

あと、各キャラクターと読者が特殊能力というかくしごとを共有しているからこそ、感情移入しやすいのかもしれませんね。みんなとは歳が10歳以上も離れているけど共感するところもあったし。

少し気になったことといえば、みんな性格良すぎってこと。なんというか眩しすぎた。。もし僕が好きな人のことを友達にバレたら、どうやって口止めしようか考えるもん(笑) 高校生とはいえ、もう少し捻くれててもいいんじゃないかと思ってしまうのは考えすぎかなぁ…。

友情話や恋愛要素など、青春小説としては見事なまでの仕上がりっぷりになっていたので(表紙を含め)、そういうのが好きな人にはオススメの作品です。

もちろん住野よるさんのファンであれば買って損はしないことでしょう。過去作との雰囲気の違いなんかも楽しみに読んでみてはいかがでしょうか。

Webで読める幕間のスペシャルストーリー

※ここから先は既読の方向けの内容です。といってもそこまで重要なネタバレはしていませんが

最後のくすぐったくなるようなエピローグを読んで終わり……ではありません。

なんとWebでスペシャルストーリーが読めるんです!

専用のサイトへ行く方法は裏表紙をご確認ください。帯を外したところに「図書室からのお知らせ」があり、小さなQRコードが載っていることでしょう。

画面中央より少し左にあるのがQRコード。これをアプリで読み取ると、かくしごと専用のサイト『か「」く「」し「頁』へ移動します。文字通り、隠しページということですね。

こんな感じのページが開ければ成功!

各キャラクターにちなんだ5つのクイズが用意されており、正解するとそれぞれの物語を読むことができます。例えばこんな感じで。

Q.ヅカと京くんが食堂で話しているシーンで、京くんのほっぺについていた食べ物は何?

この問題に正解すると、小説が掲載されているページへ行くことができます。

※答えは黒く塗りつぶしてあります

僕はミッキーとパラの問題以外即答できずに調べることになったので、答えが載っているページをヒントとして載せておきますね。自力で探したいという方は見ないようお気をつけください。

ついでにどんな話なのか、短めですがあらすじを載せておきます。

な、ら。い!ご?と

京くんがパラのことを師匠と呼び、ギターを始めるきっかけについて描かれています。

答えのヒント:P32

つ/き\づ=き*し

文化祭終了後、修学旅行前のミッキーのお話。カフェで偶然出会った先生との会話を読むことができます。主に進路関連のお話ですね。

答えのヒント:P185

な1か2な3お4り

修学旅行先でパラと揉めたキャラクターがいますよね?

そうです。ヅカに告白して振られた彼女のことです。振られた後にパラと居合わせて険悪な雰囲気になりました。

その彼女との仲直りを描いていました。

答えのヒント:P61

あ♠︎か♢ら♣さ♡ま

ヅカの家で京くんと一緒に受験勉強。(2人仲よすぎだろ…!笑)

そこにヅカの妹が現れて各々の恋話へと発展していきます。

答えのヒント:P120

は↓つ←で↑え→と

エルはヅカに誘われて2人っきりでプラネタリウムへ行くことに。いわゆる初デートってやつなのですが、誘われたエルの頭の中ではそんなこと考えもせず…。最初から最後まで矢印は見えなかったのだろうか。

勘違いする様が可愛らしくもあるけどヅカのことを考えると不憫だなぁ…と思わなくもない。Webで読めるストーリーの中では個人的に一番面白かったです。

答えのヒント:P234

住野よるさんの過去作も是非!

かくしごとを読んで楽しめた方は、是非とも住野よるさんの作品を手に取ってみてください!

泣けるもの、感動するもの、考えさせられるものがありどれも違った印象を受けるのですが、共通して住野よるさんらしい優しい文章なのできっと気に入ってもらえるはず。

全て読んだ身としては「また、同じ夢を見ていた」という作品を推したい。幸せとは何か考えさせられる作品となっており感動できるところもあるので、気になる方は是非とも手に取ってみてほしい。読み終えた先には「かくしごと」では得られなかった感情が待っていることでしょう。

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