村田沙耶香「殺人出産」:あらすじと感想(ネタバレなし)

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こんにちは、ニシマツ(@output_log)です。

小説「殺人出産」を読みました。

著者は村田沙耶香さん。
コンビニ人間」「コンビニエンスストア様」を書いた人で、個人的にドハマりしている作家さん。

タイトルでお察しの通り、いやー…とんでもない内容でしたよ!!

この本の中には4つの短編が収録されています。

  • 殺人出産
  • トリプル
  • 清潔な結婚
  • 余命

それぞれの感想や、あらすじを順に紹介。ネタバレはできるだけ避けましたので、ご安心ください。

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殺人出産

あらすじ

10人産んだら1人殺してもいい

恋愛や結婚とは別に、命を生み出すシステムが導入された日本。

誰かを殺すために命を生み続ける人たち。通称「産み人」。

人工子宮が開発されたこの時代では、出産するのに男も女も関係ない。誰だって産むことができる世の中になっていた。

主人公である育子(いくこ)の身近にも産み人がいる。

それは姉である(たまき)。
殺人衝動を抑えられない環は、17歳で産み続けることを決意した。全ては人を殺すため

それから20年という月日が流れ、環による10人目の出産が迫っていた

感想

読み始めたころは嫌悪感しかなかったです。10人産んだからといって、1人の命を亡くしていいとは限らないですよね。男が出産するっていうのも意味が分からなかったし、想像もできなかった。

でも読み進めていくと、あら不思議。「殺人出産システム」という特異なものが、この世界には自然に溶け込んでいる。正当化されている理屈を並べられると、考えを改める自分がいた

作中では「こんな世界はおかしい!」と訴える人がいた。傍から見ていて哀れで悲しい…。異を唱えたところで変わらないんだよ。殺人出産というシステムに、この世界に適用しろよ。…苛立ちながらもそう思わずにはいられなかった。

ラストシーンにも注目していただきたい。異常と思われるかもしれないけど、その表現と情景描写に美しいと思ってしまった。

トリプル

流行はカップルよりもトリプル!

若者の間では2人で付き合うより、3人で付き合うというケースが珍しくない時代。

主人公の真弓は2人の男、圭太の3人で付き合っている。要は複数の男と遊んでるんでしょ? と思うかもしれないが、それは違う。

真由美 ⇔ 誠
真由美 ⇔ 圭太
誠 ⇔ 圭太

上の関係図のように、皆がそれぞれ愛し合っているのだ。だからよほどの事情がない限り、会うのは3人一緒。

キスも3人一緒

その先の性行為も3人一緒



3人でするそれぞれの行為が濃密に描かれていた。艶めかしい表現もあって、まるで官能小説を読んでるかのよう

もしかしたらトリプルの人にとっては当たり前のような描写なのかもしれないけど、経験のない僕にとっては斬新。「へー、そんな作法があるんだー」と妙に納得したものです。

清潔な結婚

結婚に性行為を持ち込まない。

でも、子どもは欲しいと考える夫婦の話。



なんだろう…全く感情移入ができず、夫婦のことも好きになれなかった。病院で施された医療行為が気持ち悪く、読み終えるころにはモヤモヤっとした何かが残る。ちょっと後味の悪い読後感である。

余命

医療が発達し、この世から「死」というものがなくなった。老衰という概念がなくなり、事故死や他殺であっても、すぐに蘇生できる。

その代わり、いつでも死ねるようなシステムができあがった



わずか5ページで終わる。
多くを語ると面白味が半減するので、ここで止めておこう。

全体的な感想

全ての話に共通していえることが、現代の話ではないということ。しかし、現実離れしてるんだけど、どこかリアリティを感じられる内容となっている。どれも新しい文化や生き方を提案しているかのようだった。

今では非常識とされている本の内容が、現実になることがあるかもしれない。もしかしたら、そう遠くない未来に実現されるかも…?

おわりに

短くてあっさり読めるけど、濃厚な1冊。

気になった方はご一読ください!

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