2016年の芥川賞を受賞した作品「コンビニ人間」。
その作者である村田沙耶香さんの作品に「コンビニエンスストア様」というものがある。
その内容は、コンビニ宛てに書かれた手紙。
愛を綴った文章はまさにラブレター。
人間とコンビニの出会い、死別(閉店)、再会(ニューオープン)など赤裸々に描かれている。短い手紙ながらも心惹かれたので、感想とともに紹介します。
人間 × コンビニ
作中ではコンビニと人間が付き合っていることになっていた。しかも肉体関係があるようだから驚きである。
深夜の2時を一緒に過ごしたあの夜
夜中まで貴方の中に残っていた
これらのセリフ、狙ってるとしか思えない…。高品質な下ネタを読んでいるようで面白かった。もっと際どい表現があったけど、自粛しておきます。。。
他人から見たら深夜のコンビニの店内にいるだけなんだけど、当人たちは違う世界を生きているに違いない。
さらに、コンビニならではの表現も。
朝からピンポンピンポンうるさいし
「手料理だよ」と出してくるものにはやたらと添加物が入ってるし
「みてみて! 新しいこと始めちゃった!」といきなりコーヒーマシンを入れてみたりして苦労させるし
どれも微笑ましくて、クスッと笑えるようなものばかり。
…かと思えば、訴えかけるような凄みのある文章が後半に潜んでるので侮れない。
夢中になって息つく間もなく読了。
読み終えたころには作者である村田沙耶香さんの虜になっている自分がいた。
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この本、ではなく手紙はわずか10ページで終わる。「コンビニ人間」を読んでいなくても楽しめる内容なので、気になる方はぜひ!
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村田沙耶香「コンビニ人間」感想:人間と店員は別の生き物という表現が面白い!
2016年上半期、芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの「コンビニ人間」。強烈なキャラクターと独特な世界感に惹き込まれ、瞬く間に読了。コンビニという身近にあるありふれた存在に、これほど心動かされることも珍しい。感想を交えつつ紹介します。