角川文庫の 僕の好きな人が、よく眠れますように を読みました。
著者は 中村航 さん。
絶対、最強の恋のうた を読んだら、無性にこの本を読みたくなったので再読しました。
あらすじ
主人公である山田君は大学院生で、東京の理系大学で研究をしている。
そこへ北海道からゲスト研究員の院生が現れた。
院生の名は斎藤恵。女性。既婚。
2人で遊びにいったり飲みにいったり、「めぐ」と呼んだりする仲へ発展。
いけないと思いつつも、2人の距離は更に近づいていくことになる…。
彼女は人妻。つまり不倫。
めぐは、三つ上の先輩と学生結婚しているのです。
北海道に旦那を残し、東京へとやってきている。
それなのに、それなのに、山田君と恋愛に発展してしまうんです…。
感想
不倫だけど甘く爽やかな展開
不倫小説って聞くと、どんなイメージでしょうか?
当然良い行為ではないし、どうしてもワイドショーや昼ドラのようなドロドロとした展開を想像してしまいますよね。
ところが「僕の好きな人が、よく眠れますように」は違うんです。
まず、旦那の台詞が無いし、登場すらしません。
数行で紹介される程度で終わります。だからかな、旦那がいるってことを忘れそうになるんですよね。
その影響か、読者的にも背徳感が薄れるんですよ。
前半では不倫関係に想い悩む描写もあります。
しかし、108ページを越えたあたりから、どんどん甘い恋愛劇に変わっていきます。
2人のイチャイチャっぷりが読んでて本当に清々しい。
実際、山田君もこう言ってます。
爽やかにいこう。
山田君は言葉通りに実践する、できる男でした。
カッコいいぜ!!
とにかく2人の会話が好きだ!
作中で、全てのカップルの敵とは何か考える描写がありました。
その一部をご紹介。
- 門限
- つまらない映画
- 青のり
- 残業を強要する上司
どれも確かに!って思った。何気ない会話なんですが、2人ともセンスあるよなーと思って読んでました。一言一言が素晴らしい!
ここでは照れくさいから紹介しないけど、甘い甘い台詞もたくさんありました。読んでるこっちが恥ずかしくなる(笑)
王道な少女漫画が好きな人は、絶対好きだろうなーと思います。
おわりに
彼女の方は不倫してるけど、甘く爽やかな恋愛小説でした。
最終的に不倫関係に決着はつかないけど、まぁいいじゃないか。
ハッキリとしない終わり方だけど、僕は好きです。
この本を読むことで、忘れかけていたトキメキという感覚を思い出すことができると思います。トキメキを忘れている方、取り戻しましょう!気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。
※おまけ
「絶対、最強の恋のうた」で登場した木戸さんが再登場しています。
木戸さんは相変わらず適当な感じで大好き。ヨットマンを許しちゃいけねぇって言ってたけど、ウィンタースポーツ野郎もダメですよね。そこはほんとに共感しますよ。
ニヤリと笑える小ネタ満載なので、「絶対、最強の恋のうた」を読み終えたのにも関わらずこの本を読んでない人は絶対に読むべき!
それでは、また。
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