中村航『トリガール』感想:鳥人間コンテストを題材にした青春小説!

中村航_トリガール

だから飛ぶってのは、パンクロックよりも反抗的だし、でも気分は三ツ矢サイダーより爽やかなんだ

角川文庫から出版された小説「トリガール!」の21ページより引用。
この一文を読んで「あぁ 中村航さんの文章を読んでるんだなー」と実感した西松(@output_log)です。

2017年、トリガール!が実写映画化されると聞いたので紹介します。ネタバレはなるべく含まないようにしたのでご安心ください。

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トリガール!について

テーマは鳥人間コンテスト

まず題材が物珍しい。
鳥人間コンテスト。それは滋賀県の琵琶湖で毎年開催されている競技会。参加者は空を飛び、飛距離を競う。

過去、その様子はテレビで放送されてきました。見たことがある人には共感してもらえるかと思いますが、CCDカメラによるパイロットの映像は胸が熱くなりますよね。ドキュメンタリー映画を見ているような感じでしょうか。

鳥人間コンテストというと、ついつい競技会に目を向けてしまいがち。小説では、その日に至るまでの過程をメインに描いています。

あらすじ

工業大学の機械工学科へ入った鳥山ゆきな(とりやまゆきな)。

友達の和美と一緒に、鳥人間コンテストに参加する「T.S.L(チーム・スカイハイ・ラリアット)」というサークル勧誘イベントに参加。その後、流されるがままに入部した。

ゆきなとしてはエンジョイ&ラブリィな学生生活を送るはずが、いつしかパイロットとして鳥人間コンテストを目指すこととなる。

公式PVもあります!

トリガール!の感想

鳥人間コンテストといえば、テレビで飛んでいるところしか見ていなかったので、その裏側を見ることができました。

ゆきなの所属するサークルでは、プロペラ班、電装班、フェアリング班、フレーム班、翼班、パイロット班、庶務班と分かれていた。

合計で100人近く在籍しており、結構な大所帯なのかなと。今までパイロットにしか注目していなかったので、多くの人に支えられて飛んでいるんだなーと感慨深くなりました。これからテレビで見るとき、より感動できそう。

この物語は、ゆきなともう一人がパイロットになり、飛んでから記録を出したところで終わります。ラストのテイクオフから墜ちるまでの描写、よかったなー。これぞ青春!って感じで楽しく読めました。

16ページに及ぶ描写が素敵すぎて、さすが中村航さん!って思えるほど。

ゆきなはどれだけ飛べたのか。
誰と一緒に飛んだのか。
ぜひ本を手に取ってご確認くださいませ。

中村航さんの本にしては恋愛要素が少なめだけど、キュンとくるところは散りばめられているかと!

エピローグもあるよ

トリガール_エピローグ

単行本にあるのかは不明ですが、「トリガール!」の文庫本には本編終了後のエピローグが漫画となって収録されています。その内容に思わずニヤニヤ。笑

短くてさくっと読めるのですが、かなりのネタバレになるので決して最初に読まないようにお気を付けください!


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