中村航さんの あなたがここにいて欲しい を読みました。
この本は、3つの物語が収録された短編集。
- あなたがここにいて欲しい
- 男子五編
- ハミングライフ
どれも中村航さんらしく、心温まるような内容でした。
同著者の他作品とも関わりのある本なので、中村航さん好きにおすすめの1冊。
感想とともに、関連作についても紹介します。
感想
あなたがここにいて欲しい
主人公は吉田くん。
幼少時代や小中学生の話。高校生へと進学し、大学生の今も描いている。
仲良しである不良の又野くんが印象に残った。(吉田くんは不良ではない)
又野くんは、悪い友達とつるんでヤンキーになる。血まみれになることもある。荒れた生活をしているんだけど、たまに吉田くんの家に遊びにくる。又野くんにとって、吉田くんという存在は帰る場所だったのかなー。
そんな彼が結婚して子供ができ、寿司職人になってお店を開いたときは、すげえなって思った。年下だけど、僕なんかよりもよっぽど大人だ。
吉田くんには世話になったからと言って奢ってくれるけど、本人はお金を払いたい気持ちで一杯。その気持ちすごく分かる気がする。友達だからこそ、敬意を表して支払いたいよね。
吉田くんと又野くんとの友情話がメインだけど、吉田くんの恋愛話もあります。舞子さんと付き合うところまで。あまりページ数はないけど、和んだ。
男子五編
中村航の本を読んだことがある人必見!
世界三大美徳は「礼儀」「仲良し」があるとされていましたが、最後の一つが明らかになりました。
「誠実」「一生懸命」「孝行」「勤勉」「皆勤」と候補が続々と挙げられます。
「感じよく振る舞う」もいいなーと思ったけど、最後の一つを聞いてしっくりきました。美徳という言葉に相応しいなと。
どんな言葉なのかは、ぜひ本書でお確かめください。
ハミングライフ
別々の時間帯で猫に餌をあげる二人の話。
猫の絵が描かれた紙を見つけたことがきっかけで、お互いの存在を知る。
その後は紙でのやり取りが続き、ハッピーエンド。
読んでてほっこりした。
合わせて読みたい
夏休み
この本を読んで面白いなと思ったら、同著者の「夏休み」を読むことをおすすめします!「夏休み」には大人になった吉田君と舞子さんが登場します。
それもちょっとした登場の仕方ではありません。メインキャラクターが5人いて、その中の2人なんです。
順番的にはどちらから読んでも大丈夫。僕も改めて「夏休み」を読み直しました。片方を読んでいるとクスッと笑える小ネタが満載。よりこの作品を好きになることでしょう。
年下のセンセイ
「あなたがここにいて欲しい」に出ている浦上くんと大田くんが登場します。
ほんの少しの登場ですが、浦上くんの特徴を覚えておくと、ニヤリとすること間違いなし!
どんな内容かは、こちらをご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
単作でも十分面白い。けれど、紹介した本を読んだことがある人は、キャラクターの繋がりが垣間見れて、より楽しめると思います。気になった方は、ぜひ手に取ってみてください!
それでは、また。
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