小学館文庫の 絶対、最強の恋のうた を読みました。
著者は 中村航 さん。
映画化された、「デビクロくんの恋と魔法」や「100回泣くこと」が有名ですね。
最近「年下のセンセイ」という本を読み、中村航さんの本を再読したいなーと思っていたところです。
「絶対、最強の恋のうた」の単行本が発売されたのは2006年。
およそ10年前…!そんなにも昔の作品だったことに驚き。
10年経過してますが、物語は色褪せることなくそこにありました。大学生カップルの日常話は迷いもあるけど青春に溢れていてすごくいい。それでは、感想を書いていきます。
感想
開始早々、ハートを射抜かれちゃいました
読み進めて、20ページ目の会話が強く印象に残った。
大野君からの質問がこちら。
「今は弓道をやっていないんですか?」
対する彼女の返答がこちら。
「ええ。的じゃなくて、別のものを射貫くことにしたんです」
「例えば男子とか」
僕のハートは彼女の言葉という弓矢によって射抜かれてしまいました。
すごい破壊力、、いや貫通力のある台詞。たまんないね…!
彼氏と彼女の視点の話
前半は彼氏である大野君の目線。
後半は彼女の目線で語られます。
前半だと彼女の台詞だけでしたが、後半では心情を描写してくれます。あの時、こんなこと思ってたのかーという発見は楽しいものです。
恋はスタンプカードのようなもの
恋はスタンプカードのようなものだ
ん? どういうことだろう?
彼女がふとした時に思ったことです。
キスをして、好きだと思って、何かをわかり合って、優しい気持ちになって─。そんなことがある度に、私たちはスタンプを押す。
一人で押すこともあるし、二人で押すこともある。
スタンプが全て集まったら、次のカードをもらいにいこう。このカードはいつか、かけがえのない何かと交換できる。
そういうことですか。一人で押すのもいいけど、同じスタンプカードに押すことができたら最高だなって思った。こういう文章をいきなり放り込んでくるから、中村航さんからは目が離せない。
おわりに
淡々としてるけど、どこか温もりのある彼氏彼女の会話。燃えるような恋というわけではないけど、独特なペースで展開する話が面白かった1冊でした。
エピローグの「富士に至れ」がいい終わり方で読後感が最高。
※おまけ
本作には、木戸さんというキャラクターが初登場。
基本的に読み切りの作品が多い中村航さんですが、木戸さんは作品を超えて登場します。
この人、言ってること無茶苦茶ですが、ヨットマンを許しておけないことは全面的に同意かな(笑)
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