山田悠介「僕はロボットごしの君に恋をする」を読んだ感想

「リアル鬼ごっこ」や「パズル」などを手がけた山田悠介さんが、2017年10月20日に約4年ぶりとなる長編小説を単行本として発売。

そのタイトルは、

僕はロボットごしの君に恋をする

発売前から豪華クリエイターによるアニメPVが公開され話題となりました。それがこちらになります!

キャラクターデザインを手掛けるのはloundrawさん。アニメ制作は「四月は君の嘘」「ソードアート・オンライン」を手がけたA-1 Pictures。声優には入野自由さん、花澤香菜さん、木内秀信さんを起用し、菅原紗由理さんによるテーマソングまで作成。

小説の発売前から盛り上がっていることを実感し、ひとりの山田悠介ファンとして読まずにはいられなかったので発売日に書店へと足を運び単行本を購入。

家に帰ってページを捲ってみると、続きが気になるストーリー展開に引き込まれ瞬く間に読了。まるで時間旅行をしたかのような、あっという間の出来事でした。

ひとまず「僕はロボットごしの君に恋をする」のあらすじや紹介は置いておいて、まずは感想から綴っていきたいと思います。

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「僕はロボットごしの君に恋をする」を読んだ感想

本の帯にはこう書かれていました。

ラストに驚愕必至の感動大作!!

こんな風に書いてしまったらラストシーンに驚くような展開が待っていることは火を見るよりも明らか。僕はストーリー展開を予想しながら読むのが好きなので色々と推測しながら読み進めていました。

「オチはどうなるんだろうなー」

「実はあのキャラクターが○○○○?」

こんな感じで楽しみながらページは進んでいき、大方予想通りの展開になったのですが、あと10数ページで終わるというところで核心に触れる事実が発覚。

 

想像の斜め上をいく展開だった。

 

思わず心の中で「そっち!」とツッコミを入れてしまうほど僕の推理は的外れ。ダーツボードにかすりもしない。

ネタバレになるので詳しくは語りませんが、もう一度最初から読んで該当人物の言動や行動を事細かにチェックしなければいけない…。そこに違和感はなかったのか確かめたい。もし違和感がなかったとしたら……とんでもない技術だ。そう遠くない未来だからこそゾッとするし考えさせられる。

 

「もしかしたら僕が気づいていないだけで既に身近な存在になりつつある……?」

読了後、ふとそんなことを思った。
おそらく小説を読んでいない人にとっては何の話だかさっぱり分からないかもしれませんが、読んだ人ならきっと共感してくれるはず。なんというか背筋が凍るよね…。

この先では本書(以下僕ロボ)のあらすじについてご紹介。

冒頭部分のネタバレが少し含まれているので苦手な方は要注意。

「僕ロボ」のあらすじ

舞台は2060年。
3度目の東京オリンピックが開催される年。世の中は自動運転が確率するほど技術発展を遂げていた。

 

主人公は大沢 健(おおさわ たける)。28歳。AIロボット技術研究所に所属している。

主な業務は治安維持のため捜査官として活動すること。街のパトロールを行い、なにかあれば対処するのだが、現場で行動するのはロボットのみ。捜査官である健は研究所からロボットを遠隔操作するのが役目。

 

ヒロインの天野 咲(あまの さき)。23歳。僕ロボの表紙に描かれている人物であり健の想い人。

とあるスポーツメーカーの営業として働いている。健とは幼馴染だが久しく会っていなかった。

ところがあることがきっかけとなり健が遠隔操作するロボットと接触。咲はロボットのことを本物の人間だと思い込んでおり、交流を進めていく中で次第に惹かれていくことになる。

SF好きじゃなくても楽しめる

僕ロボは近未来が舞台ということもあり小難しい言葉が出てくることもあります。

しかしガチなSF小説ほどとっつきにくい話ではありません。恋愛要素もしっかりとあるので男女問わず幅広い世代の方におすすめできる内容です。

途中で意味不明な文字の羅列などは無く、眠気が襲ってくることもありませんでした。山田悠介さんによる読みやすい文章のおかげかもしれませんね。内容が気になった方は是非手に取ってみてください!

おわりに

作中に登場した勿忘草(ワスレナグサ)という花。花言葉には「私を忘れないで」という意味があるらしいですよ。詳しい事情については僕ロボを読んでからのお楽しみということで。