メディアファクトリーから出版された「校閲ガール」
著者は 宮木あや子 さん。
発売したのが2014年3月で、すでに2年以上が経過。以前から読んでみたいと思ってはいたものの、近いうちに文庫化するんじゃないかと見据えてたのですが・・・・・いっこうに文庫本になりません!笑 ※追記:文庫化決定! 2016年8月25日 角川文庫より発売!
しびれを切らして買ってきました!
校閲ガールは出版業界に関するお仕事小説。その中でも校閲にフォーカスした内容は新鮮で面白かったので、感想とともに紹介したいと思います。(多少のネタバレあり)
校閲ってなに?
そもそも、校閲(こうえつ)って何?
校閲ガールでは、その意味を辞書から引用して紹介していました。
文章や原稿などの誤りや不備を調べ、検討し、訂正したり校正したりすること。
このように説明が入ると分かりやすいですね。「校閲」という単語自体、日常生活で使わない気がするから、ちょっと疑問だったんです。
校閲ガール 感想
小説に興味がないからこそ勤まる職業?
主人公の河野悦子(こうのえつこ)はファッション雑誌が大好き。
憧れの雑誌を出版している会社に入社できたものの、編集部ではなく校閲部に配属されてしまう。そこで、やりたくもない文芸書の校閲をする羽目になってしまった。
でも、それでよかったのかもしれないと思ったセリフを発見。
ダメだよー感情移入したら。冷静に校閲できなくなるでしょ。
この言葉は、悦子の採用に関わった部長が言ったこと。悦子は常々文句を言いながら仕事をしてたけど、決して仕事ができない印象は感じない。小説に興味がないからこそ、俯瞰して見れるのかもしれない。
はたして自分に勤まるだろうか。
感情移入せずに本を読むことができる…?
・・・・・
考えただけで挫けそう…。
好きな作家さんの場合、名前を聞いただけで補正がかかる気がするし、感情移入して読むタイプだから小説の校閲は無理そうだな…うん。
村上春樹を連想するキャラクターがいた
作中に、四条真理恵という作家が登場します。
真理恵は高校生でデビュー。作家歴は30年と長いが一度も文学賞を取ったことがない。信者のマリエンヌたちは、文芸界に対して憤っているんだとか…。
このあたりの設定から、真っ先に村上春樹を連想しました。ノーベル賞やハルキスト……
…なんか似てる気がする。
用語がたくさん!
校閲ガールは、全5話とエピローグで構成。合間に悦子の研修メモという名の用語集があります。
ゲラ、初校、再校、念校、著者校、校了。
ルビにも種類があり、総ルビ、パラルビ、グループルビ、モノルビと様々。
どこかで聞いたことはあるけど、詳しい意味を知らないものばかり。ストーリー上では解説されていないものをカバーしているので、分からない単語があれば見てみましょう。
読み終えたら表紙のカバーを外してみよう!
こちらの写真は表紙のカバーを外した状態の本。
まさかこんなカラクリが潜んでいるなんて…! いい演出だ。本物の校閲した原稿を見たことはないけれど、すごく本物っぽい!笑
単行本で買った人は是非ともご覧あれ。
おわりに
校閲ガールはフィクションだけど、出版業界のことや、校閲という仕事に興味がある人は読んでみるのもいいかもしれませんね。ちょっとだけそのお仕事を覗けたような気持ちになりました。
続編の「校閲ガール ア・ラ・モード」が発売されているようなので、近々読んでみたいと思います。
それでは、また。
2016年6月、校閲ガール3作目の連載が始まりました! 詳しくは以下の記事をご覧下さい!