集英社から出版された小説、ラメルノエリキサ。
著者は渡辺優さん
第28回すばる小説新人賞を受賞した作品。
宮部みゆきが「不謹慎な小説」と評価し、注目を浴びました。
面白そうなキャッチコピーを見ると買わずにはいられない性分。まんまとつられて買ってしまいました。読み終えたので紹介とともに感想を書きます。
多少のネタバレは含みますが、犯人は誰だ?といったことには触れていません。
内容紹介
「ラメルノエリキサ」というタイトルにはどんな意味が込められているのか。
3回唱えると何かが起こりそう。
ラメルノエリキサラメルノエリキサラメルノエリキサ
なんだか呪文みたい。
実はこの言葉、主人公である小峰りなが刺されたときに犯人が発した言葉。
「ラメルノエリキサのためなんです、すみません」
この言葉を残して犯人は去っていきました。
りなには復讐癖があり、犯人に仕返ししてやろうと決心。
手掛かりをつかむため、「ラメルノエリキサ」の意味を探り、犯人捜しを始めます。
魅力あふれるキャラクター
登場人物は多くありません。主人公の小峰りなとお姉ちゃんのキャラクター性が強く、非常によかった。
女子高生 小峰りなから目が離せない
本作の主人公。復讐体質の小峰りな。
自分が気分を害されたと思うと、復讐せずにはいられない性分。復讐することで、すっきりした気持ちになるので、自分のために行う。
6歳の時、ピアノ教室に通っていた子にねこの腕を折られたから、その復讐に相手の子の腕を折ったエピソードがありました。まさに、やられたらやり返す精神。
お姉ちゃんからは「復讐の申し子」と呼ばれるほど。
次はどんなことをするんだろうと、不安ながらもワクワクして読み進めた。
犯人探しはもちろんのこと、女子高生りなの日常も描かれており、どんな行動をするのか目が離せませんでした。
怖いけど可愛いお姉ちゃん
8歳にしてハンムラビ法典を知っていた、お姉ちゃん…。
りなに復讐の方針を説いた、お姉ちゃん…。
シャベルやブルーシートを調達してきちゃう、お姉ちゃん…。
読み終えて、本当に怖いのはお姉ちゃんだと気づかされました。
伏線は所々にあり、もしかしたら・・・・・と思っていたのですが、最後に本性が垣間見えましたね。お嬢様キャラをしているお姉ちゃんも好きですが、冷静に恐ろしいことを考えるお姉ちゃんも好き。そのギャップにグッときます。
感想
いやー面白かった!
ちょっと読みづらいところもあったけど、文章に勢いがあり、あっという間に読み終えてしまいました。買ってよかった。帯のとおり、読み終えた頃には、りなのファンになってます!
続編を熱望します!りなはまだ16歳。これからですよ!
他にも魅力的なキャラクターがたくさんいたので、色んな話を読んでみたい。
お姉ちゃんのファンになった人は多いだろうから、いっそのこと、お姉ちゃん主役がいいな!
渡辺優さんの次回作に期待ですね! 著者のプロフィールはこちらです!
https://output-log.com/2016/03/06/post-2672/