2016年10月15日に公開された映画「何者」。原作は就活生のリアルを描いた(ホラー)小説です。
おそらく、この映画を観たところでハッピーな気持ちになることはないでしょう。原作を知っているからそうなることが分かっているのにも関わらず、引き寄せられる魅力みたいなものがあり、映画館で見てきました。
案の定、嬉しい・楽しい気持ちにはならず、どこかモヤモヤした感情が残ることに…。でも間違いなく面白かったので、感想をつらつらと書いていきます。
※ネタバレ含むので嫌な人はお気をつけ下さい
映画のキャスト
二宮拓人 | 佐藤健 |
神谷光太郎 | 菅田将暉 |
田名部瑞月 | 有村架純 |
小早川里香 | 二階堂ふみ |
宮本隆良 | 岡田将生 |
サワ先輩 | 山田孝之 |
有名若手俳優が揃い踏み!! これだけでも見に行く価値あると思う。
事前に公表されていなかった烏丸銀次を演じるのは誰だろう?と注目していたのだが、顔が見えないようになっていて分からなかった。スタッフロールには役者名しか載っていなかったので、結局のところ特定できず。
重要なのはメインの6人だけ。ということなのかもしれません。
映画の感想
菅田将暉の歌声が素晴らしい
ライブシーンから始まった冒頭。
主人公、拓人の友人でありバンドマンの光太郎を演じるのは菅田将暉。ドラマ、映画、CMに引っ張りだこでテレビをつければ見ない日はないんじゃないかと思うほどの人気っぷり。
今回はバンドマンということでボーカル兼ギターを担当。劇中で演奏し、歌声を披露しました。ほんの少しですが、ライブ映像をYoutubeで見ることができます。
劇中の挿入歌は全3曲。
「忘れらんねえよ」が提供した「俺よ届け」と「まだ知らない世界」。「LAMP IN TERREN」が提供した「pellucid」。
それらを見事に歌い上げた菅田将暉がマジでかっこよかった。もっと歌声を聴きたくてAmazonにあるか調べてみたら、配信されていませんでした。残念極まりない。お願いだからもっと聴かせて!!
中田ヤスタカさんの手がける音楽だけでも聴きたいという方は、サウンドトラックでお楽しみください。
映画でも打ちのめされた
何者の見どころは、なんといってもラストシーンではないでしょうか。
瑞月と里香が男性陣に向けて言い放つ描写は圧倒されますね…。「来るぞ来るぞ!」と身構えていたけど受け止めることができなくて、スクリーン越しに打ちのめされた。
原作に沿ったストーリーと映画ならではの演出
一部、小説の構成と変化しているところがありましたが、ほぼほぼ原作に沿ったストーリーでした。むやみにオリジナル要素をブチ込んでくることもなかったので、原作ファンとしては嬉しい限り。
映画ならではの演出も良かったです。
最後、拓人が裏アカ(@NANIMONO)で呟いていた内容が明らかになる場面があります。小説では文字を羅列しただけですが、映画では過去のシーン流しツイート内容を読み上げるという演出。
ふだんは平静を装っていても、裏では何者かを演じていた拓人。ツイッターをやってる身としては、自分にも重なるところがあってグサグサきましたね…。
その後、何者かを演じてきた拓人が舞台を降り、走り出していくところは感慨深いものがありました。おそらく、裏アカ(@NANIMONO)でツイートすることはもう無いのでしょうね。
映画の内容を深堀りしたい人は小説を読もう
何者の映画を観ただけでは気になることもあるでしょう。
- 光太郎の想い人は誰?
- なぜ里香と隆良は交際3週間で同棲していたの?
- 瑞月の父親のデート相手は?
これらの疑問の答えはアナザーストーリー集である小説「何様」に描かれています。
どんな話か詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧下さい。6つの短編のあらすじをまとめています。

映画だけを観た人が「何様」を読むと、一人だけ見覚えのないキャラクターが登場します。その人物は原作のクライマックスシーンで登場するので、ぜひとも小説「何者」でご確認を!
というわけで何者の世界を存分に楽しむなら映画と原作小説とアナザーストーリー全てを体験してみてください!