サンマーク出版から発売された「臆病な僕でも勇者になれた七つの教え」
通称オクボク。
著者は旺季志ずか(おうきしずか)さん。
脚本家でもあり、「女帝」「ストロベリーナイト」「特命係長 只野仁」「佐賀のがばいばぁちゃん」「トイレの神様」などを手掛けている。これらのドラマを見たことがある人も多いのではないだろうか。
「臆病な僕でも勇者になれた七つの教え」は、旺季志ずかさんの処女作となる本。自己啓発とファンタジー小説を合体させたような内容で、著者本人のブログでは「RPG的ファンタジー自己啓発冒険小説」と紹介されている。
(引用元:http://ameblo.jp/rila214/entry-12156981886.html)
自己啓発小説を有名な脚本家が手掛けたということで、期待せざるを得ない。
実際に読んでみると、自己啓発とファンタジーがうまくマッチしていて非情に面白かった。おすすめの1冊なので、感想を交えながら紹介します。
※紹介画像は公式のPVより引用しました
あらすじ
「バケモノ」と呼ばれる少年キラ。
その理由は、生まれながらにして青い髪、青い目をしていたから。そのせいで家庭は崩壊。両親は離婚。現在、母親と二人暮しをしている。
小学校に入学する前日、「普通」になるため髪を黒く染め、カラーコンタクトを入れた。目立たないように自分を押し殺して過ごすこと5年。事件は6年目の6月に起きた。
毎年行われる球技大会。ソフトボールの試合にて。あと1人を抑えれば優勝するところで、キラの凡ミスで逆転負け。
その日を境に始まったいじめ。自己嫌悪に陥るキラ。失意の中、山へと足を運ぶと「失われた聖櫃(アーク)」についての話をする男女を発見。
「失われた聖櫃」には、剣と鏡と玉が納められており、その剣を手にしたものは勇者になって願いが叶えられるという伝説があるんだとか。その聖櫃が、この近くにある。
愛犬のとんび、居あわせたクラスメイトのリクと一緒に探すことに。2人と1匹は、いざなわれるように異世界の森へとたどり着き、冒険が始まった。
▼公式のPVはこちら。
勇者になるには?
勇者になるためには、7つの石(ストーン)を集める必要がある。聖櫃のある山へ向かう途中の試練に打ち勝つことで、石を手に入れることができる。
この本の構成は以下の通り。
- はじまり
- 第一の石「赤」
- 第二の石「オレンジ」
- 第三の石「黄」
- 第四の石「緑」
- 第五の石「青」
- 第六の石「紺」
- 第七の石「紫」
- 老師の教え
各章で一つ石を手に入れる流れ。
それぞれの石には色があり、意味も異なってくる。
誰が石を手に入れるのかも見どころ。キラかリクか・・・それとも別の勢力なのか。
7つの教え 印象に残ったものは・・・
石を手に入れるたび、カエルの姿をした老師(ラオシー)が教えを説いてくれる。
その中で、僕が一番心に残ったものが第二の石「オレンジ」での教え。
オレンジの石は「寂しさ」を表す。
寂しさを克服する方法として、老師はこんなことを言っていた。
ワクワクにつながっていくと寂しさは癒やされる。寂しいとき、惹かれることをしたらええ。寂しさはあっさり消えるけん。
そこで役立つのが、ワクワク羅針盤。
物事を選択するとき、ワクワクするか、しないかで判断することをいう。
他人の意見は気にしなくてもいい。大事なのは心がときめくか、体が弾むか。逆に、気分が重くなったり、気持ちがどんよりしたら危険信号。
迷ったらワクワク羅針盤を使って選択しよう。そうすることで、自己価値を高め、自己肯定感を得られるとのこと。
これは僕の意見なんだけど、ワクワク羅針盤とは直感力みたいなものなのかと。うまく言葉にできないけれど、「こっちの方が、なんかいい」って思うときがある。まさしくワクワクするか、しないかで判断した僕の直感。生きていくうえで、一つの指針にしていきたい。
そういえば、老師は失敗してもいいから、少しずつ小さなことから始めたらいいと言っていた。今日のお昼はラーメン or お寿司? このレベルから始め、ワクワク羅針盤(直観力)を磨いていけたらいいな。
冒険ファンタジー小説としても楽しめた
これまでの紹介では自己啓発の要素が多めで、ちょっとお堅い小説なのかな?と思われたかもしれない。
でもね、そんなことないんですよ…!
キラとリクと犬のとんびによるパーティ編成。サポート役の老師。襲ってくる敵との戦闘や、リクとの友情。途中で出会うヒロイン的なキャラクターとの恋模様…!
この感じ、まさしく冒険ファンタジー!!
ファイナルファンタジーやドラクエなどのRPG好きからすると、すごく懐かしい気持ちになった。
いい意味で王道を貫いたところが素敵。期待を裏切らない内容。何度も「これだよ!これ! この展開を待ってた!」という感じで胸が熱くなった。特に終盤の展開が最高!!
残念だったのが、キャラクターや世界観のイラストが無かったこと。人物紹介のところにあると、もう少しこの世界に入り込んで読めたかも。個人的には「ブレイブ・ストーリー」の世界観が近いのかなーと思って読んでました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
「臆病な僕でも勇者になれた七つの教え」は自己啓発本でもあり、ファンタジー小説でもある。どちらの要素も楽しめる本となっていました。
約250ページという丁度いいボリュームで、とても読みやすい。大人から子どもまで楽しめることでしょう。僕が紹介した「教え」以外に、6つあるので、是非とも本書を手にとってお確かめください!
それでは、また!