小説の主人公は声優!川端裕人「声のお仕事」の感想

声のお仕事

こんにちは、ニシマツ(@output_log)です。

文藝春秋から出版された「声のお仕事」。
著者は 川端裕人 さん。

表紙やイラストを手がけるのは、オオタガキ フミ(@fumi_otagaki)さん。
キャラクターの目が特徴的ですね!

「声のお仕事」はその名のとおり、声優に関するお仕事小説。本屋で見つけて、声優に関する小説って珍しい!と思い購入。面白かったので紹介と感想を書きます。

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どんな内容?

誰もが身近に感じながらも、知らないことの多い声優の世界に光をあてた、
リアリティたっぷり、胸が熱くなるお仕事小説です。

↑amazonの内容紹介より引用

主人公は二十代後半の声優、結城勇樹(ゆうきゆうき)。

野球アニメ「センターライン」のオーディションに挑んだ結果、見事にレギュラーが確定。だけど、希望していた役とは違い、犬役として出演することに…。

感想(ネタバレあり)

少年漫画みたいな熱い展開

大島啓吾などのライバル的存在がいることや、昔の友達と再開する展開が読んでて楽しい。

次のレギュラー作品が決まらない中、ドラマCDを出す展開は特に熱かった。欝展開からの逆転劇は少年漫画を見ているような感じで、熱く燃える展開

結城勇樹が掲げている「声で世界を変える」という想いも熱い。熱苦しい気もして、ちょっと冷めた目で見てしまいがちだけど、堂々と公言している姿はカッコよかった。
また、終盤ではこの言葉に関する伏線が発覚。読んでて目頭が熱くなりましたね。

他にも、作中で声優が演じるアニメ「センターライン」という野球アニメがよかった。ついつい、声優のお仕事小説ということを忘れるくらい、良い内容。もっと掘り下げたら、単独で作品化できるのでは?と思うほど。

知らなかったアニメの声優事情

「声のお仕事」を読んで、声優さんに関する話を知ることができました。

例えば、マイクアクション
アニメの場合人数が多いから、一人に一つマイクが用意されるわけではないんですって!
アニメ映画でゲスト声優が公開収録してる時って、大体マイクの前に立ちっぱなしじゃないですか。そのイメージが強かったので、意外でした。

他に、お当番回収録時期ギャラの入金時期についての話がありました。どれも「へーそうなんだ!」と驚いた。

一応、このお話はフィクションなので全てが本当かは分かりません。ただ、あとがきを読んだ限りでは、かなり入念に取材して執筆された印象があるので、事実なのかな?と思ってます

ドラマCD、アニメ化に期待

まだ何も決まっていませんが、どうしてもドラマCDやアニメ化を期待してしまいます。

だって想像してみてください。

声優が声優を演じるんですよ?

アニメのキャラクターを演じる声優を演じる」って展開が熱くないですか?

実現したら話題になるだろうし、見応えありそうですよね!

おわりに

少年漫画みたいなノリで、あっという間に読み終わりました。

アニメや声優に詳しくなくても、すんなりと話が入ってきます。むしろ空っぽの状態の方が新鮮味があっていいかもしれません。

声優という仕事に興味のある人も読んでみてはいかがでしょうか。良い面だけを描いているわけではないので、声優の仕事を知る入口として最適かと。

気になった方は是非!
それでは、また。