小学館から発売された松久淳さんの「もういっかい彼女」という本を紹介したいと思います。(ネタバレは無いのでご安心ください。)
猫の写真が可愛くて、見ているだけで癒されるような表紙。この本、一見すると猫の写真集かと思いがちですが小説です。しかもタイムスリップもののSF小説。加えて恋愛要素もある。
時間を超える。過去と未来。タイムスリップ。「もういっかい彼女」というタイトルに、何か特別な意味が込められているのではないかと考えてしまいますね。
ハードル上げまくりの帯
amazonで注文して本が手元に届いた時、単行本の約半分の大きさを誇る帯に目がいきました。そこには書店員さんからのコメントが寄せられているわけですが、まぁ期待を煽るようなことがわんさか書かれていたんです! その一部を引用してみましょう。
- ど真ん中の直球、だけど、ひねりありです
- 2回泣いたよ〜
- 最後、「ああー!」と声が出てしまった
- タイムスリップものはよくあるけど、この結末はすごい!
- 感動と衝撃が同時にやってくる、まさかの結末
- タイムスリップものの王道[時をかける少女]以来の切なさMAXの物語でした!
- 絶対に予想を覆す展開!!
- ストーリーのなかに様々なメッセージが隠されていて、この小説に出会え、心を揺さぶられました
タイムスリップものということは買う前から知ってましたが、まさか結末に関してこんなにもハードルを上げてくるなんて。笑
というわけで、かなり期待が膨らんだ状態で、「もういっかい彼女」を読み始めました。
あらすじ
とある雑誌のインタビューコーナーを担当する富谷啓太(とみやけいた)と、カメラマンの野田奈々(のだなな)。2人は20年前に9作の小説を世に出した官能小説家である佐々田順(ささだじゅん)という人物に取材をすることになる。
インタビューは無難に進み、啓太は「過去に戻りたいと思ったことはありますか?」と質問。その問に対し佐々田は「何度か過去に戻ったことがある」と発言。
そうして佐々田の過去話が始まった。
感想
佐々田の彼女に対する一途な想い。泣くまでには至らなかったけど心動かされた。読み終えて、少し落ち着いて、噛みしめるような感動を味わえた。
僕には結末を予想できなかったし、答え合わせの時は「なるほど! そういうことか!」と興奮もした。再発見があるんじゃないかと、もういっかい読み2回目を楽しんだ。
だけどやっぱり、帯でハードル上げすぎた感はある。。。
どんな結末を迎えるのか。何が伏線で、どこにあるのか。そんなことばかり考えながら読んでしまった。もう少しフラットな状態で読めばよかったなーと、ちょっとだけ反省。
おわりに
これから「もういっかい彼女」を読む人は、SF小説であることをあまり意識しないで読んでほしいな。謎や伏線を意識するのは2週目のお楽しみということで。
それでは、また。