冨山房から発売した「3びきのかわいいオオカミ」という絵本。1994年に発売し、20年以上が経過した作品です。
「三匹の子豚」のパロディとして一時期ツイッターで話題になっており、読みたいなーと思いつつ買えていませんでした。
ところが先日、東京にて行われた「神保町ブックフェスティバル」で半額セールを実施していたんです。これは買うしかない!ということで購入。
読んでみたところ、噂通り斬新なストーリーで楽しめたので、「3びきのかわいいオオカミ」について紹介したいと思います。
あらすじ
あるところに、3匹のかわいいオオカミがいました。オオカミたちは、お母さんオオカミと一緒に暮らしていました。
ある日、お母さんオオカミは言いました。
「おまえたち、そろそろ広い世界に出ておいき。お母さんの家を出て、自分たちのお家を作りなさい」
そしてこう付け加えました。
「でも、悪い大豚には気をつけるのよ」
3匹のオオカミは、
「心配しないで、母さん。僕たち豚には気をつけるから」
と言い、広い世界へと出て行きました。
家を建てるオオカミと壊すブタ
「三匹の子豚」ではブタが家を建て、オオカミが壊していました。しかし本作では立場が逆転。オオカミが家を建て、ブタが壊す側になっています。
また、本作には藁の家と木の枝で作られた家が登場しません。オオカミたちは、はじめからレンガで家を作り出します。
ただまあ、
ブタの手によって壊されるんですけどね。
……ハンマーで。
今回のブタは強い。
「三匹の子豚」でオオカミが壊せなかったレンガの家をぶち壊しました。
次にオオカミたちが作ったのはコンクリートの家。レンガの家よりも頑丈になりましたが……またもやブタの毒牙にかかり壊されてしまいます。
……電気ドリルで。
次はもっと頑丈なものを。
電気ドリルを使われても壊されない家を建てよう。
そういうわけで、鉄条網、鉄骨、鉄板、南京錠、丈夫なガラスや鋼の鎖を使って家を建てました。もはや家というより要塞みたいな外観です。
「三匹の子豚」では壊されなかったレンガの家に相当する3つ目の家。読者的にも「次は大丈夫だろう」と予想していたのですが……裏切られました。難攻不落と思いきや、見事に破壊されてしまったんです。
……○○○○○○で。
こんなの勝てっこない…。
「○○○○○○を使うなんて…この鬼畜豚野郎!!」
でも、やりすぎ感のある壊れっぷりが清々しくもあるから不思議。心の中で「いいぞ、もっとやれ!」とブタに期待している自分もいました。
次に建てた家は壊れなかった
3つ目の家が壊されて、どんな結末を迎えるのだろうかとハラハラ。読み進めていくと、オオカミたちは懲りずにまた新しく家を建てました。
「次はどんなふうに壊されるんだろう?」
○○○○○○を超える破壊方法なんてあるのか。期待を込めてページを捲ると、驚くことに壊れない結末が待っていたんです。
そしてそして、ラストは全てが丸く収まるハッピーエンドを迎えていました。
ぜひ絵本でお楽しみください
・ブタは鉄骨や鉄板を使った家をどのように壊したのか
・最後に建てた家は、なにで作られたのか
・どのような過程でハッピーエンドに至ったのか
ここではあえて紹介しなかった内容については、実際に読んでお確かめください。子どもはもちろん、大人も楽しめる内容になっていると思います。
また、絵本なのでイラストにも注目。黒と灰と白のかわいいオオカミや、悪巧みをするブタの姿は必見! 細かいところまで書き込まれているので、絵を眺めているだけでも癒されると思いますよ!
ちなみに、Amazonで調べたところKindleでは売られていませんでした。なので、ぜひ絵本でお楽しみいただければと思います!