本屋さんにて、とある漫画を表紙買い。
絵や雰囲気がものすごく好みだったので紹介したいと思います。
とつくにの少女
漫画のタイトルは「とつくにの少女」
著者は「ながべ」さん。
マッグガーデンから出版されました。
2016年9月21日の時点では2巻まで発売中。
1巻の帯には
「新たな人外×少女の物語、始まる――。」
2巻の帯には
「これは、絵本。これは、童話。これは、詩集。」
魅力的な帯のコメント。しかし、購入の決め手になったのは表紙が魅力的すぎたから。
表紙から漂うダークな雰囲気
表紙にいるのは黒いコートに身を包む人間ではない者と可憐な少女。暗い森の中を歩いているような描写からは不気味さが漂っている。
初めてこの表紙を見たとき、漫画だとは思わなかった。なぜかというと、絵本のような雰囲気を感じたから。
この感じ、どこかで見たことある……と記憶を巡らせていると、エドワードゴーリーの絵本「ギャシュリークラムのちびっ子たち」が思い浮かんだ。
その内容とは、名前にA~Zの頭文字を持つ子どもたちが、アルファベット順に死んでいくというもの。些細なことがきっかけで死んだ子もいれば、えげつない死に方をした子もいる。大人になってから読んだので精神的ダメージは少なかったが、子どもの頃に読んでいたらトラウマになっていたかもしれない…。
怖いけど、ダークな雰囲気になぜか惹かれる。トツクニの少女の表紙を見たとき、同じような感覚が僕を襲った。
あらすじ
異形の者が棲まう外の国と、人間が住まう内の国。2つに分かれた世界で共に生きる、捨て子の少女と異形の者の物語。
この世界では、人間の間で伝えられているお伽噺があります。
むかしむかし。
あるところに白と黒の2つの神様がいました。
白の神様はみんなに喜びを与えていましたが、黒の神様は悪さばかり。
困り果ててついに怒った白の神様は、黒の神様を懲らしめるべく、罰を与えることにしたのです。
醜い姿となった黒の神様は怒り狂い、自分への罰を呪いに変えてみんなにうつしてしまいました。
それに困った白の神様は、黒の神様を外へ追い出し、呪いに触れないよう高い壁で隔てたのです。
後に黒の神様は外の者と呼ばれ、白の神様は内の者と呼ばれるようになりました。
・・・
もしかしたらお伽噺ではなく昔話で、その続きを描いているのかもしれません。(人間側が都合のいいように書いたお伽噺かもしれないので断定はできない)
とつくにとは
漫画のタイトルに含まれている「とつくに」。
漢字で書くと「外つ国」。その言葉の通り、外国という意味がある。
漫画の世界では、黒の神様のいるところを外つ国。白の神様がいるところを内つ国(うつつくに)と呼んでいます。
キャラクター紹介
せんせい
外つ国に住む者。
呪いをかけられ、異形の姿をしている。
頭には大きな角が生えており、全身の肌は黒い。
シーヴァ
内つ国からの捨て子。
せんせいとは対照的な白い髪と服が特徴的。
呪いとはなにか
せんせいにかけられている呪い。
物の感触がなくなり、温度も感じられなくなる。食事をする必要もなく、睡眠をとらなくても生きていける体。最終的には、今のせんせいのような姿になってしまう。
2巻まで読んだけど、せんせいがどのようにして呪いにかかったのか。解く方法はあるのか、いまいち分かりませんでした。
核心に迫るところで話を切られるので歯がゆい。笑
せんせいの正体は誰なのか気になるので、是非とも呪いが解ける方向で進んでいただきたいです。シーヴァとの関係性は全くないのか、それとも人間のときから身近な存在なのか…。まさか父親ってわけじゃないよね?
シーヴァの母親と父親の話が不自然なほど出てこないので、何かあるのかなーと勘ぐってしまいます。
読んだ感想
感想としては、終始お伽噺を読んでいるような感覚でした。
謎ばかりでスッキリしないんだけど、不思議で不気味なところが好き。明るい性格なシーヴァがいるおかげで暗くなりすぎず、クスッと笑えるところもあって良い。
表紙だけではなく、中の絵も素晴らしかったです。カラーではないモノクロの世界が作品にマッチしていた。
「すごくおもしろいから読んでみて!」と勧められる類のものではありませんが、「この雰囲気、なんか好きなんだよね。試しに読んでみる?」と言って勧めたくなるような漫画です。
まだまだ謎だらけなので、今後の展開が楽しみ!
そういえば、2巻の最後に3巻の発売日が書かれていました。
2017年4月10日発売予定とのこと。半年ほど先になるので、首を長くして発売日を待ちたいと思います。