2016年7月19日、第155回となる芥川の受賞作が発表されました。
5つの候補作品から選ばれたのは・・・
村田沙耶香:コンビニ人間
2016年の芥川賞は、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」。単独受賞となりました。発表するとき、受賞作品を貼るスペースがやけに空いていたので、もう一作品来るか? と思っていたら違いましたね。
コンビニ人間を読んでみたいのですが、まだ単行本化されていません。というのも、2016年5月に発売された文學界6月号に掲載されたばかり。単行本として手元に届くのは、まだまだ先のことになりそうです。
▼追記:買って読み終えたので感想書きました!
https://output-log.com/2016/07/26/conveni-novel/
36歳未婚女性、古倉恵子。
大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。
ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。
受賞を逃した候補作
受賞しなかった4作品。2作品はすでに単行本として発売されているので、あらすじを紹介します。残る2作品もコンビニ人間と同様、小説誌で読むことができるので、リンクを張っておきますね。
崔実:ジニのパズル
オレゴン州の高校を退学になりかけている女の子・ジニ。ホームステイ先でステファニーと出会ったことで、ジニは5年前の東京での出来事を告白し始める。
ジニは日本の小学校に通った後、中学から朝鮮学校に通うことになった。学校で一人だけ朝鮮語ができず、なかなか居場所が見つけられない。特に納得がいかないのは、教室で自分たちを見下ろす金親子の肖像画だ。
1998年の夏休み最後の日、テポドンが発射された。翌日、チマ・チョゴリ姿で町を歩いていたジニは、警察を名乗る男たちに取り囲まれ……。
二つの言語の間で必死に生き抜いた少女が、たった一人で起こした“革命”の物語。
山崎ナオコーラ:美しい距離
死へと向かっていく妻に照射される夫のまなざし
40歳代の妻は癌に冒され死へと向かって歩む。生命保険会社勤務の夫は愛する妻へと柔らかい視線を投げかける。人生考察の清々しさ。
今村夏子:あひる
たべるのがおそいVol.1 に収録。
高橋弘希:短冊流し
新潮1月号に掲載。
▼直木賞についてはこちらをご覧ください!
https://output-log.com/2016/07/19/naoki2016/