こんにちは、西松(@output_log)です。
小学館から出版された ヒトリコ を読んだので、感想を書きたいと思います。
著者は 額賀澪 さん。
帯には、
「仲間」「友情」「絆」 そんなもの信じない。いらない。
つらくて、痛くて、理不尽で。でも心がじんわり温まる物語
とありました。いじめが関わっています。
ネタバレを含みます。ご注意ください。
内容紹介
深作日都子は小学5年生の時、教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象となった。そのときから日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。
田舎の小学校の生徒達はそのまま中学校へ持ち上がる。ヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけ。合唱の盛んな中学では生徒の間にカースト制度が生まれ、激しいいじめや陰口が横行する。「みんな」に属している限り生徒間の闘いは続く・・・。
地元の高校の入学式。小5で転校した冬希の姿がそこにあった。モンスターペアレントの母親との暮らしに疲れ切った冬希は、母親を棄て、父親の地元に戻ってきたのだった。何も変わらぬ故郷、仲間。ただ、一人だけ全く変わってしまった日都子の姿に冬希は驚く。そしてその原因が自分が飼い、置いてきた金魚と知り・・・。
誰もの心に突き刺さる、青春の残酷さ、閉塞感・・・・・・。
絶望的な孤独の末に見えてくるうっすらとした光。必ず誰もの心の奥の奥に入り込み、内側からあなたの心を揺さぶる、苦くて新しい青春小説です。
amazonの内容紹介より引用
感想
ヒトリコの意味と金魚の事件
作中のヒトリコとは深作 日都子(ふかさく ひとこ)のことを指す。
いつも教室で一人でいるからヒトリコと呼ばれるようになり、自分からも名乗るようになる。
そのきっかけとなった事件は、教室で飼っていた金魚の死。
生き物係として世話をしていた日都子に疑いの目が向けられ、やってもいないのに犯人扱いされることになってしまう。
日都子に疑いをかける先生。
疑いに追い打ちをかける友達。
金魚が死んだ原因を作った真犯人の葛藤。
様々な感情が教室内を渦巻いる。先生以外はそれぞれの視点で語られるので読み応えがありました。先生は生徒の耳を引っ張ったり、殴ったり、やりすぎですよ・・・。今の時代は大問題だ・・・。
小中学生の思い出がよみがえる
合唱練習の描写はなんとなく想像できて、小中学生の頃を思い出しました。
合唱練習に意気込む女子とやる気のない男子とかは、あるあるですね。といっても作中ほど厳しくはありませんでしたが。
こうやって思い出すことができたのは、私が作者と同じ1990年生まれだからでしょうかね。
終わり方
日都子と冬希と明仁は前向きな感じで終わってよかった。
けれど、友達だった嘉穂の終わり方がやりきれない。心残りはそれだけですね。